生島には赤と黄色がよく似合う。これまで高校サッカーファンに語り継がれる幾多の名勝負を繰り広げてきた伝統のカードである。均衡を破るスーパーシュート、試合終了間際の逆転劇、両者一歩も譲らぬPK戦など、観る者全てを感動させる様々なドラマを生み出してきた。四国学院大学香川西高校VS高松商業高校。今年は選手権予選準々決勝での対決、会場は熱気に包まれていた。
爽やか秋晴れに恵まれてはいたものの風が強く、立ち上がりは風上をとった高松商業のロングボールにペースを握られる展開となる。セカンドボールへの高い意識や球際の厳しさには歴戦の重みが感じられた。
それが赤き戦士たちに火をつけたに違いない。徐々に中盤の攻防で主導権を取り始め、相手DFライン背後を狙い始める。この日のFWはスピードが武器の伊藤、先取点奪取に成功する。
高松商業もこのままでは終われない。縦への勢いを更に強め、ゴールに襲いかかる。ピンチを何度も切り抜けながら前半を1-0で折り返す。
後半も伝統の一戦にふさわしい激しい攻守の攻防が繰り広げられる。追加点が欲しいと誰もが思う後半20分、右サイドを抜けた熊野があげたクロスボールをFW齋藤が一瞬のひらめきでスルー、逆サイドに流れたボールを菊地が落ち着いて流し込み、試合を決めた。最後まで自分たちの形に徹底した高松商業イレブンに心から拍手を送りたい。次はいよいよ準決勝。選手権も深まってきた。