101回目の選手権香川県大会準々決勝。高校総体の悪夢から早半年。強い四学香川西を取り戻すため、今日まで懸命に改善を繰り返してきた。伝統の形に加えた多彩な攻撃にセットプレー、その他様々な試行錯誤を繰り返し県外遠征を、リーグ戦を戦ってきた。2学期に入りほぼ負け無しのチーム状況。チーム全体の雰囲気もよい。現時点でのベストで臨んだ尽誠学園高校との試合である。
今大会から制限付きの有観客試合となり、鳴り物を用いた応援も可能となった。保護者会からのご厚意により、紅白の応援旗、横断幕、太鼓、応援グッズをご準備いただいた。スタンドから届く声援は選手たちの心に響いたに違いない。白熱のプレーに沸く会場の雰囲気はコロナ禍を過ごした3年生にとって初めてのものである。ああ、やっと選手権が戻ってきた!
さて試合。今年もプリンスチームはスーパーシードであったため我々は今日が初戦。リーグ戦とは全く違う雰囲気に、ある程度の緊張は予想していた。これまで2試合を勝ち進んだ尽誠学園はFW9の高いボールキープ力とヘディングの強さを軸に、ロングボール主体の攻撃を仕掛けてくる。好機を逃さないオーバーラップに苦しみ、主導権を握れない。奪ったボールを攻勢に転じる回数も少なく単調な崩しを繰り返すのみとなる。前半10分、まさかの失点。その後、CKから小島が決め同点とするも、リズムを掴めないまま前半を折り返す。
気持ちばかりが焦り、後半もいつものサッカーが取り戻せない。ベンチが動く。3年生橋田投入。高い位置でボールが保持できるようになり、攻撃にバリエーションが出始める。ポストを叩くシュートも放つ。しかし、ゴールネットを揺らすまでに至らない‥‥。時間は刻々と過ぎていく。あの高校総体敗退のシナリオがよぎる‥‥
ロスタイム2分、の表示の時に得たCK。スタンドの声援も最高潮!選手全員が必死で競り合ったことが功を奏し、キーパーがハンブルしたボールを小島が押し込んだ。これが決勝点となり辛勝。尽誠学園高校の健闘を心から讃えたい。
課題が残る試合となった。高校サッカー選手のメンタルは本当に難しい。きっと想像以上のプレッシャーをこの試合に感じていたのだろう。しかし選手諸君、もう一度会場の光景を思い出そう。必死で声援を贈ったのはみんなのサッカーを支え続けた保護者、そして、ユニフォームを手にすることが出来ず悔しさを押し殺しながら現状を受け入れた仲間達である。みんなを勇気づけることこそが目的であり、決してプレッシャーや気負いを届けたのではない。もっとチーム代表としての誇りを持とう、自信を持とう、そして、感謝の気持ちで戦おう!まだ強くなれる自分に気づくはずだ。 来週は準決勝。高松商業が待っている。