第100回全国高等学校サッカー選手権香川県大会準々決勝。今年よりプリンスリーグ出場チームはスーパーシードとなり、我々は今日が初戦である。対戦チームは伝統高、高松工芸。
全てのチームがそうであったように、コロナ禍における今年のチーム強化は難しかった。しかし、可能な限りの遠征やトレーニングを積み重ねてきた。120名を超える選手たちは様々な個性を持っている。ベストと言える布陣、戦術を模索し続ける日々であった。数少ないトレーニングマッチを大切に、でき得る限りの準備で大会に臨む。もちろん、PK戦対策まで抜かりはない。
高松工芸は大会3試合目。自陣に守備ブロックを引き、ロングボールを軸に攻撃を仕掛けてくる構え。そのため、ボールをしっかりと保持でき、主導権を握ったまま試合が進められる展開となった。しかし、初戦の固さからか、ノーリスクな攻撃ばかりが続き、なかなかシュートまで至ることができない。点を取るためには多少のリスクを冒さなければならない。前半30分過ぎ、左サイドでキープした状況からサイドバック伊原が勇気をもってオーバーラップ。中に折り返したパスをボランチ野中が持ち込んでシュート!先制に成功する。
その後も終始香川西ペースの展開が続く。だが、決定的なシーンをつくることができず終盤へ。やや物足りないが、次戦に向けて取り組もう、と勝利を確信した瞬間であった。後半40分、ロングボールから得たこぼれ球が香川西ゴールエリア付近にこぼれる。ゴールには近いが全く角度がない。しかしこれを拾った工芸選手が思い切ってシュートを放つ!まさかの失点となる。
延長戦。さらに攻撃の圧力を強める香川西イレブン!必死で凌ぐ工芸。1人、2人と足をつらしながらもゴールを守る。PK戦の流れとなってきた。PK職人のGK三谷に準備をさせる。
その時である。工芸高校のボールキープをファウルしたとしてまさかのPKの判定が下される。終了間際、決められたらほぼ負けである。ベンチは三谷投入を決断。会場が静まり返る。しかしこのPKを三谷がスーパーセーブ!そのまま試合終了、PK戦となる。
先攻 香川西 ○○×××‥‥工芸 ○、三谷セーブ!、○、三谷セーブ!、三谷セーブ!!!試合中を含め、3度訪れた敗戦場面を全て三谷がシャットアウト。準決勝進出である。肝を冷やした試合であった。工芸高校の健闘を讃えたい。
高校サッカーは本当に何が起こるかわからない。今日ほどそれを痛感した日はないかも知れない。しかし、これまで積み上げてきた準備と勝利への強い気持ちがもたらした結果であると信じたい。次戦につながる勝ち方になったことに心から感謝し、来週に備えよう。我々も選手権モード全開である!準決勝は、高松商業、伝統の一戦に燃えろ!!